* ベートーヴェンとヴァイオリンソナタ
11月18日の会に向けて、少しずつお話を綴っていきたく想います。

1回目は「ベートーヴェンとヴァイオリンソナタ」のお話です。

 

ベートーヴェンは生涯で10曲のヴァイオリンソナタを生み出しています。さまざまなジャンルで挑戦を続けた作曲家ベートーヴェン!

ヴァイオリンソナタに関しては第1番から第9番までの9曲をほぼ続けて作曲をし、9番「クロイツェルソナタ」以降は9年間もの長い間ヴァイオリンソナタを作曲しませんでした。

有名な第9番のヴァイオリンソナタ「クロイツェル」。この曲以前のヴァイオリンソナタは「ヴァイオリン助奏つきのピアノソナタ」と言われていました。

 

ヴァイオリンソナタを世に出すときには、作曲家自身がピアノパートを演奏することが当時の慣例でした。作曲家が作った曲の意図を聴く人にアピールするというところからピアノが主導権を握ることになっていたのです。

その一方でベートーヴェンは「クロイツェル」に「ほとんど協奏曲のように、相競って演奏されるヴァイオリン助奏つきのピアノソナタ」という題をつけました。

ベートーヴェンは技巧、音楽性に優れたヴァイオリニストと出会い、そのヴァイオリニストとの演奏会のために「クロイツェル」を作曲しました。ブリッジタワーというそのヴァイオリニストから刺激を受け、新しい考え方で挑戦をしたのがこの曲。

ヴァイオリンとピアノの緊張感に満ちた関係…「ヴァイオリンとピアノが対等である」というあり方は以降の作曲家に大きな影響を与えることになるのでした。

 

 

ヴァイオリンソナタにおいてピアノが主であるということには、当時のクラシック音楽の状況にも1つ要因があったようです。

若者であったベートーヴェンが生まれ故郷にいたころにフランス革命が起こり、その後ヨーロッパでは王族や貴族、教会が権威を誇っていた時代から市民が力を持つ時代へと大きな変化が起こります。

 

王族や貴族、教会のものであったクラシック音楽が市民のものへと…閉じられた世界のものであった音楽がコンサートへ足を運べば聴くことができるものに変わっていくのでした。

 

クラシック音楽を聴き求める人が変わっていく。そのことがもたらした影響は大きいものでした。
作曲家も王族や貴族、教会に雇われ守られていた時代から市民の求める「芸術家」へ。そのような時代をベートーヴェン以降の作曲家は歩んでいくことになるのでした。
「クロイツェル」での挑戦の後、最後のヴァイオリンソナタとなった10番のヴァイオリンソナタは「クロイツェル」とはまた違った世界を持つ作品です。
この曲はフランスのヴァイオリニスト、ピエール・ロードの依頼で作られました。
9年間の時を超え、ベートーヴェン自身も中期から後期へと作風を変化させていました。
これまでになかったものとして生み出され、緊張感に満ちた「クロイツェル」から10番のヴァイオリンソナタへ。その変化はどのようなものか。向き合っているとベートーヴェンが過ごした人生の日々を想わずにはいられません。

 

 

 

 

 

 

 

2018.11.13 Tuesday * 23:01 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(0)
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